# 最低賃金1,177円の全国平均と人件費高騰が中小企業に及ぼす影響—経営者が確認すべき3つの数字

> 最低賃金1,177円の全国平均と人件費高騰が中小企業に及ぼす影響—経営者が確認すべき3つの数字 中小企業の人件費には、これまで以上の圧力がかかっています。ひとつは最低賃金の引き上げです。 2026年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,…

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- Published: 2026-11-02T09:35:42+09:00
- Modified: 2026-11-02T08:34:37+09:00
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## 最低賃金1,177円の全国平均と人件費高騰が中小企業に及ぼす影響—経営者が確認すべき3つの数字

中小企業の人件費には、これまで以上の圧力がかかっています。ひとつは最低賃金の引き上げです。

2026年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円となり、前年度から56円引き上げられました。各都道府県では秋以降、順次新しい最低賃金が適用されています。

人手不足や物価上昇が続くなか、最低賃金の対象者だけでなく、既存社員との給与バランスを維持するために、より広い範囲で賃上げを迫られる企業も少なくありません。

もうひとつの要因は、人件費の上昇に企業の収益力が追いついていないことです。東京商工リサーチの調査によれば、2026年度上半期（4〜9月）の「人手不足」を要因とする倒産は240件となり、2013年の調査開始以降、上半期として過去最多を更新しました。そのうち「人件費高騰」を要因とする倒産は130件で、前年同期から75.6％増加しています。倒産の66.2％を資本金1,000万円未満の企業が占め、規模の小さい企業ほど人件費上昇の影響を受けやすい状況です。

「最低賃金や人手不足といった外部環境は、1社の努力だけでは変えられません。だからこそ重要なのは、『賃上げできるか、できないか』ではなく、『人件費が上がったあとでも、自社に利益とキャッシュが残るのか』を事前に数字で確認することです」

と、稲田財務の代表・稲田裕は話します。例えば時給が60円上昇した場合、対象となる従業員が10人、それぞれ1日6時間、月20日勤務すると仮定すると、**60円 × 6時間 × 20日 × 10人 × 12カ月**で年間約86万円の人件費増加となります。さらに社会保険料などの事業主負担や、最低賃金対象者以外の賃金調整を含めれば、実際の負担はさらに大きくなる可能性があります。

「時給が何円上がるかというニュースだけを追うのではなく、自社で年間いくらコストが増えるのかを算出し、その増加分をどこで吸収するのかまで数字に落とす必要があります」

稲田財務では、人件費上昇局面で経営者が確認すべき数字を、次の3つに整理しています。

- **1．人件費は、粗利をどれだけ使っているか――労働分配率**

まず確認したいのは、人件費が粗利（売上総利益）のどれくらいを占めているかです。人件費が高いこと自体が問題なのではなく、自社が生み出している粗利に対して人件費の負担がどの程度になっているかを見ます（中小企業では付加価値の近似として粗利を用いると分かりやすいです）。労働分配率が高い会社では、同じ売上・同じ粗利でも人件費の上昇が利益を圧迫します。自社が生み出した粗利のうち、どれだけを人件費として使っているかをまず確認します。

- **2．人件費増加分を、粗利で吸収できるか――価格転嫁と粗利率**

次に見るべきは、人件費の増加分をどこで吸収するのかです。販売価格を上げるのか、仕入れや外注費を見直すのか、生産性を高めるのか、販売数量を増やすのか。売上が前年と同じでも人件費だけが増加すれば利益は減少します。そのため、単に売上の増減だけを見るのではなく、増加した人件費を吸収できる価格や収益構造になっているかを確認します。必要であれば、いくら値上げすれば人件費増加分を吸収できるのかまで数字に落とします。

- **3．人件費が増えたあと、いくら利益とキャッシュが残るか**

最後に確認したいのは、増加した人件費のあとに残る利益と資金繰りです。最低賃金分だけでなく、既存社員との賃金バランス調整や社会保険料の事業主負担まで含めれば、増加はさらに膨らみます。年間の人件費が300万円増える会社で現在の営業利益が400万円しかない場合、条件が変わらなければ利益の大半が消えかねません。さらに利益が出ていても借入金の返済や税金、設備投資などで現預金が減ることもあります。そのため、
「年間で人件費はいくら増えるのか」
「その後、営業利益はいくら残るのか」
「借入返済後にも現預金は残るのか」

をあわせて確認します。稲田財務では、最低賃金の引き上げを単なる「人件費の増加」として見るのではなく、
**人件費増加額 → 必要な粗利 → 必要な売上・価格 → 最終的に残る利益とキャッシュ**という流れで捉えるべきとしています。

「賃上げそのものが悪いわけではありません。むしろ人材を確保し、社員の生活を守るためにも必要な場面は増えています。ただし、会社が継続できなければ、その賃金を払い続けることもできません」と稲田代表は語ります。
「最低賃金や人手不足は、自社ではコントロールできません。一方、自社の粗利、人件費、利益、キャッシュは把握できます。まず自社の現在地を数字で確認し、そのうえで価格、人員、生産性、販売方法など、次の打ち手を考えることが重要です」

稲田代表は、最後にこう締めくくります。
「数字を見る目的は、賃上げを避けることではなく、賃上げを続けられる会社をつくることです」

### 会社概要

株式会社稲田財務（東京都大田区／代表：稲田裕／事業：中小企業向け財務コンサルティング）。

決算書を使わず約3分で自社の財務状態を確認できる無料診断「3分財務チェック」：[https://inada-finance-health-check.vercel.app/](https://inada-finance-health-check.vercel.app/) 
会社詳細：[https://inadazaimu.jp/](https://inadazaimu.jp/) 
お問い合わせ：[info-ifl@inadazaimu.jp](mailto:info-ifl@inadazaimu.jp)

### 取材のお問い合わせ

本件に関する取材・インタビューを受け付けています。代表・稲田裕への取材、業種・企業規模に応じた人件費上昇の見方について情報提供が可能です（連絡先は上記お問い合わせ先）。

### 出典

- 2026年度地域別最低賃金：全国加重平均1,177円、前年度比56円引き上げ。厚生労働省「地域別最低賃金」関連資料

- 2026年度上半期「人手不足」倒産240件、うち「人件費高騰」130件・前年同期比75.6％増、資本金1,000万円未満66.2％。東京商工リサーチ「2026年度上半期『人手不足』倒産」2026年10月5日。

出典：【最低賃金、全国平均1,177円】人件費高騰による倒産が約1.7倍—中小企業が今、確認すべき「3つの数字」／株式会社稲田財務／2026年11月2日
