築55年の古民家カフェ「JIDO(慈土)」が奈良・生駒に11月6日オープン ランチ「土の一皿」と7種のハンドドリップ珈琲
奈良県生駒市高山町に、2026年11月6日(金)、古民家カフェ「JIDO(慈土)」がオープンする。運営は、VENDOR株式会社内の「種ゞ(シュジュ)設立準備室」。築55年の民家を改修した店内で、パンを中心としたランチ「土の一皿」と珈琲・菓子を提供する。建築設計と食を結びつけ、衣食住から暮らしを提案する場を目指すという。

梁や垂木を残した築55年の民家で過ごす時間
改修では、梁や垂木など建物の躯体にあたる部分を残し、長く受け継がれてきた建物の表情を生かした。頭上に広がる木組みや、窓から見える庭の景色も、ここで過ごす時間の一部として位置づけている。料理を待ちながら梁を見上げたり、珈琲を飲みながら器の手触りを確かめたりと、食事をきっかけに建築や日々使うものにも自然と目が向く空間を目指している。店内には地元の建具職人が手がけたカウンターを設けた。展示だけでなく、日々使われる姿を通じて地域の作り手の手仕事に触れられることも、JIDOが大切にしたい体験だという。

季節の野菜を盛り込んだランチと、香味で選ぶ珈琲
ランチ「土の一皿」は、スープとドリンク付きで2,300円(税込)。その日の仕入れで変わるパンに、季節の実りを取り入れたサラダ、燻香ロースハム、蜂蜜とナッツのヨーグルトを合わせる。野菜は地元高山産・生駒産・奈良県産が中心。サラダには葉物、スープには根菜など、季節に応じた味わいを届ける。
珈琲はオリジナルブレンドやデカフェなど7種を用意し、全てハンドドリップで提供する。香りや酸味、コクの違いを紹介するガイドを見ながら、その日の気分に合う一杯を選べる。ラインアップの一部と価格(税込)は以下の通り。
- 自家焙煎のオリジナルブレンド:ホット650円・アイス750円
- エチオピア・イルガチェフェ(花や柑橘を思わせる香りで、アイスでも楽しみたい一杯):ホット700円・アイス800円
- コスタリカ・ゲイシャ(華やかな果実感を味わえる高級品種):ホット1,200円・アイス1,300円
お供には、チョコレートとチーズの2種類の自家製テリーヌを用意。いつもの好みで選ぶのはもちろん、菓子に合わせて違う一杯を試すなど、自分に合う組み合わせを探すことも喫茶の楽しみの一つとしている。

フランス料理のシェフを招く夜間限定ディナーも開催予定
種ゞが大切にするキーワードは「生活景」。どんな空間で、何を食べ、どんな器を使い、誰と過ごすのか。食べるもの、使う器、身に着ける服、過ごす建物を、つながりのあるひとつの暮らしとして捉える考え方だ。JIDOでは民藝など日常の生活美に着目し、食器・服飾・アクセサリーのポップアップや、音楽・朗読会などを企画していく。
昼のランチや喫茶に加え、夜の空間を生かしたイベントも展開する。その一つとして、11月中旬にはフランス料理のシェフを招いた夜間限定のディナーイベントを開催予定。今後も継続的に開催し、日程やメニュー、予約方法などは順次案内される。
店内や個室は、作品を紹介するギャラリーやポップアップ会場、ワークショップ、講演会などにも利用できる。庭を使った催しや、昼夜それぞれの空間を生かした企画についても相談を受け付けており、「作品を展示したい」「教室を開きたい」「庭でイベントをしてみたい」といったアイデアの問い合わせ先は種ゞ設立準備室となっている。

「土を慈しむ」拠点から広がる、これからの取り組み
種ゞの母体であるVENDOR株式会社は、奈良を中心に家づくりに取り組む会社。種ゞは、その建築設計や改修の視点を、建物の中で営まれる食や文化、日々の暮らしへと広げる取り組みとして準備を進めている。「慈土」は、土を慈しむという思いを込めた名前。地域に根差し、土に還る建物をつくるという考え方を土台に、食や器、身に着けるもの、過ごす建物を一つの暮らしとして提案する最初の拠点が、このJIDOとなる。食材はできるだけ高山産、生駒産、奈良県産を優先して取り入れ、グループ会社が所有する隣接地では、今後、自社で農業などに取り組む構想もある。この取り組みは、奈良市内で開業準備を進めるカフェや、民泊などの宿泊事業にもつなげていくという。
JIDO企画担当の小野健太郎氏は、高山が約500年にわたって茶筌づくりを受け継ぎ、田畑のある暮らしのそばで、人がお茶を楽しむための道具をつくってきた土地であることに触れ、農の営みと手仕事が身近にあるこの場所こそ「生活景」の実践にふさわしいと感じていると語る。ここに受け継がれてきたものと、今を生きる作り手や料理人の感性を結び、高山を「暮らしの楽しみ方に出会うために訪れる場所」へと育てていきたいとしている。
出典:VENDOR株式会社





