鎌倉ベーカリー、店頭で売り切れなかったパンを炊き出しへ 食パン生地の新感覚「パンピザ」全13種も発売

新宿の炊き出しに、鎌倉ベーカリーのパンが届けられました
株式会社クリエイティブアルファ(東京都港区、代表取締役:田代章)が運営する「鎌倉ベーカリー」が、慶應義塾大学公認学生団体「S.A.L. オイコスプロジェクト」の活動に賛同し、フードロス削減と社会的支援に向けたパンの提供を実施しました。店頭で売り切れなかったパンが、必要としている人のもとへ届けられた形です。
オイコスプロジェクトは、慶應義塾大学公認学生団体S.A.L.の取り組みのひとつです。まだおいしく食べられる食品を活用し、フードロスの削減と社会的な支援を両立させることを目的に、路上生活をされている方々への炊き出しなどを行っています。2026年10月17日に行われた「オイコスパントリー」では、いつもの温かい手作りカレーの炊き出しに加えて、鎌倉ベーカリーが提供したパンを新宿駅周辺の路上生活者の方々へ届けました。温かい食事と一緒に配られた甘いパンなどは、大変好評だったそうです。

「焼きたて」を売るパン屋が抱えてきた食品ロス
パン屋は、その日に焼いたパンをその日に売る商売です。売れ行きは天候や客足で日ごとに変わります。閉店間際まで棚を空にしないためには、売れる量より多めに焼くしかありません。品質に問題がなくても翌日の店頭には並べられないため、行き先がなければ捨てるしかないパンが毎日生まれています。
農林水産省・環境省が2026年6月に公表した2024年度の推計では、日本の食品ロスは年間約461万トンです。このうち約237万トンが、食品製造業・小売業・外食産業などの事業系にあたります。国は2025年3月に閣議決定した「第2次食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」で、事業系の2030年度目標を2000年度比60%削減(219万トン)へ引き上げました。パン屋の廃棄もこの事業系に含まれます。ただ、1店ごとの量が小さいため、業界全体の課題として取り上げられる機会は多くありません。
10月は農林水産省・消費者庁・環境省などが推進する「食品ロス削減月間」で、10月30日は「食品ロス削減の日」です(食品ロスの削減の推進に関する法律 第9条)。鎌倉ベーカリーはこの月にあわせ、店舗や家庭での食品ロス削減の啓発・普及に取り組んでいます。

余りを届ける、そして余りを生まない「パーベイク」製法
ただ、余ったパンを届けるだけでは、余りが出る構造そのものは変わりません。そこで鎌倉ベーカリーが製造しているのが、「パーベイク(半焼成)」製法の冷凍パンです。パンを約8割まで焼いたところで焼成を止め、−40℃で急速冷凍します。最後のひと焼きは家庭のトースターやオーブンで行うので、焼きたてが完成するのは食べる人の手元になります。
冷凍で長く保存できるため、注文に合わせて計画的につくり、計画的に食べられます。「焼いた日に売り切る」という前提を外すことで、売れ残りが生まれない仕組みです。もともとは「焼きたてを届けたい」という職人の想いから生まれた製法が、結果として食品ロスを生まない仕組みとして働いています。店頭での焼きたてパンづくりは今後も続け、店頭で出た余りは必要な人へ届け、冷凍パンは計画的につくる。鎌倉ベーカリーは、この2つの方法でパン屋の食品ロスを減らしていく考えです。
食パン生地で焼く新感覚「パンピザ」全13種が登場
パーベイク製法の「計画的につくり、計画的に食べる」という考え方から生まれた新商品が「パンピザ」です。2026年10月28日、全13種が公式ECサイト「パーベイク(PAR-BAKED)」で発売されました。薄い生地のサクサク感やナポリ風のモチモチ感が魅力の一般的なピザとは異なり、“パン屋ならでは”のピザ体験を目指して「究極のふんわり&香ばしさ」にこだわっています。生地には看板商品「鎌倉食パン」と同じ独自ブレンドの生地(一部国産小麦使用)を採用し、直径約20cmのボリュームある厚焼きピザに仕上げました。
パンピザの4つの特長
- 「カリッ&フワッ」の二段階食感:職人がこねあげた食パン生地がベース。家庭で最後の焼き上げを行うことで、ふちは「カリッ」と香ばしく、中は小麦の甘みが広がる「フワッ」とした食感に。
- パーベイク(半焼成)×急速冷凍:約8割まで焼き上げた状態で−40℃の急速冷凍をかけ、生地の水分と旨味を閉じ込めています。家庭のオーブントースターで仕上げるだけで、熱々のピザが完成します。
- 食品ロスを減らす食卓提案:冷凍庫にストックしておけば、休日のランチや突然の来客、パーティー、子どものおやつなどに「食べたい時に食べたい分だけ」焼きたてを楽しめます。賞味期限は60日以上です。
- 全13種類のラインナップ:王道の「マルゲリータ」や「5種のチーズピザ」をはじめ、パン屋ならではの具だくさんな惣菜系、食パン生地の甘みと合わせた和風系・スイーツ系までそろっています。
代表取締役の田代章氏は「パンは、食べてもらえて初めてパンになります。店頭で販売しきれなかったパンが、学生の皆さんの手で、必要としている方々に1個残らず届いたと聞き、うれしく思いました」とコメントしています。さらに、パン屋の食品ロスは『焼きたて』を売ってきたことの裏側にあるとしたうえで、「出た余りを届けるだけでなく、余りが出ない製法を選びました。パーベイクも、新しいパンピザも、その答えです」と語りました。寒くなるこれからの季節に温かいカレーとパンを届ける活動を続ける学生たちへ敬意を示すとともに、同じ課題を抱えるパン屋とこの型を分け合えればと考えているそうです。





