ローカル局のご当地グルメや絶景を世界へ LCBとA+E Networks Japanが海外向けFASTチャンネル開設で合意
全国のローカルテレビ局が取材・制作してきたご当地グルメや観光地の映像を、海外の視聴者に無料で届ける取り組みが動き出します。大阪市北区に本社を置く合同会社LCB(代表社員:株式会社MBS)は2026年10月29日、グローバルメディア企業のA+E Networks Japan G.K(以下、A+E社)と連携し、日本のローカル局による地域情報コンテンツを海外向けに配信するFAST(Free Ad-supported Streaming TV)チャンネルを新たに開設することで合意したと発表しました。

放送エリアの外へ届きにくかった「地域の映像資産」
民放ローカル局の情報番組やニュースのコーナーVTRには、地域の「食・観光・暮らし」を伝える高品質でリアルな映像が数多く蓄積されています。ただし、これらは放送エリア内での視聴にとどまりがちでした。単独の放送局では、海外展開に必要な翻訳、権利処理、海外配信プラットフォームとの交渉にかけられるリソースが限られており、グローバルな流通の拡大が課題になっていたといいます。
LCBは、系列の垣根を越えて全国のローカル局のコンテンツを集め、整理するプラットフォームです。生成AIを使ったメタデータの付与や多言語字幕の生成を進めてきました。今回、世界的に市場が急速に拡大しているFAST領域で豊富な実績と配信ネットワークを持つA+E社と手を組み、日本の地域の魅力を伝えるコンテンツを世界の視聴者へ直接届ける体制づくりに向けた協業が実現しました。
今回の取り組みでは、ご当地グルメ、観光地、伝統文化、地域ドキュメンタリーなどの映像を多言語化し、世界中の視聴者に常時届けるグローバルな流通チャネルの確立を目指します。

チャンネルの中身はどうなる? 注目の特徴
テーマ別プレイリストで全国の地域情報を束ねて配信
各地のローカル局が制作した映像は、「絶品ご当地グルメ」「伝統食財」「日本の絶景・温泉」「伝統のお祭り」「地方の物語(ドキュメンタリー)」といったテーマごとに編さんされ、プレイリストとして配信されます。スタート時は、グルメチャンネル「Umami eats」と旅チャンネル「NIHON Go!」が想定されています。
AIで多言語字幕やメタデータを効率的に付与
LCBの「メタサポートシステム」とAI技術を活用し、海外の視聴者向けの多言語字幕や解説テキストを効率よく生成・付与します。現地のニーズやトンマナに合わせた最適な形での配信を図ります。
視聴を「訪問・購買」につなげる
ドラマなどのエンターテインメント作品と異なり、ローカル局の街ネタや情報VTRには、視聴者に「ここへ行ってみたい」「食べてみたい」という具体的な行動を促す強い影響力があるとしています。海外での認知を高めることで、訪日観光(インバウンド)の促進や関係人口の創出、地域経済への還元を目指します。

両社トップのコメントと今後の展開
LCB代表社員 MBS 職務執行者の齊藤浩史氏は、ローカル局が日々取材・制作する地域情報を、海外の視聴者にとっても非常に魅力的な“未開拓の宝”と表現。1局単位ではハードルが高かった海外発信も、全国の放送局が手を携え、A+E社と連携してFASTチャンネルとして届けることで、世界中に新たな地域ファンを生み出せると確信しているとコメントしました。また、LCBとして今後もローカル局のデジタルDXと地域価値の最大化に貢献していく考えを示しています。
A+E Networks Japan マネージングディレクターのジョン・フラナガン氏は、同社のグローバルネットワークとFASTチャンネル事業での経験を生かし、この取り組みに参画できることを光栄に思うと述べました。海外では日本の食文化や旅行に関するコンテンツへの需要が高く、LCBの保有コンテンツはまだ十分に活用されていない宝の山だとしたうえで、まずは東南アジアでサービスを開始し、その後世界各国へ展開していくことに期待を寄せています。
LCBは今回のFASTチャンネル開設を皮切りに、配信エリアや提携プラットフォームのさらなる拡大を図る方針です。あわせて、自治体や観光事業者、越境ECなどとの連携による多角的な地域活性化ビジネスも展開していくとしています。なお、LCBの業務執行社員には北海道テレビ放送株式会社、株式会社テレビ西日本、株式会社テレビ宮崎が名を連ねています。
出典:LCB





